4話
「……なぁ。は、オレに何をする気だったんだ?」
未だに私が悔しがってる中、不安な顔をしたシカマルが、ナルトに質問をする。
「あ? あぁ。多分、お前のことを玩具にしようとしたんじゃねぇ?」
「……玩具ってなんだよ?」
シカマルはナルトの言っている意味が分からず、聞き返す。
「弄られて、遊ばれる奴のこと」
「…………」
一瞬の沈黙。だが、すぐに……。
「は!? 待て! これは、何時から考えられてたことだ?」
「オレが、アイツの正体に気づいたときから」
「それって何時だ?」
「ちょっと前?」
「なんで早く言わねーんだよ!!<そんな危険なこと!!>」
「オレは自分の命のが惜しい!!<オレだって、初めは言おうと思ったさ! ……けど、アイツ、無言で圧力かけてきたんだよ! しかも、笑顔でだぞ!?>」
二人はにに聞かれないように、重要な部分を隠語で話をした。
「……なんとなく、分かった<お前も苦労すんな……>」
「…………」
シカマルにそう言われ、ナルトはなんとも言えない気分になった。
「……あっ! そうだ、シカマル!」
「……なんだよ?」
「シカマルは、私がだって気づいてた?」
「あぁ。なんとなくな」
「…………私、演技が下手なのかな?」
『はぁ?』
「……だって、ナルトにもすぐにバレたし。シカマルだって、すぐに気付いたんでしょ?」
「……それは、オレらだからじゃね? なぁ?」
「ああ。付き合い長いしな」
「だから、そんなイジけなくても……」
「だけどさぁ……」
火影はそんな三人の様子に苦笑していたが、放っておくと、いつまでも続きそうだと思い、咳払いをする。
コホンッ
その音に三人が止まり、火影の方を見る。
「明日は大変だからのう。今日はもう帰っていいぞ。ナルト、明日は頼んじゃよ」
「ナルト頑張っ♪」
今までイジけていたが、笑っているのを見て、ナルトは苦笑する。
「……ああ(……女って分かんねぇ……)」
……さて、私も部屋に帰るかなぁ。
そう思い、部屋を出ようとすると、私はナルトに呼び止められた。
「!」
「なに?」
「一応、聞くけど、お前は なんだよな?」
……あぁ。ちゃんと名乗ったことなかったもんね……。
「……だよ」
最後の悪足掻き。
『嘘だろ』
……ハモった。しかも、即答。
「……うわぁ」
「なんだよ」
「……別に」
「んで、どうなんだよ?」
ナルトが再び聞いてくる。
……今までバレなかったのになぁ。……まあ……。
私は降参とばかりに言った。
「…… です。これからも、よろしくね。二人とも?」
そう言った瞬間。二人の顔が笑みに変わる。
そしてニッと笑うと。
『よろしく!! 』
二人が同じことを言った。
その様子を、じーちゃんが嬉しそうに見ていた……。
* * *
「……ろ……い。……おい! 、起きろ!!」
「……うるさい……」
「もう夕方だぞ! 早く行かねぇと卒業できねぇぞ!?」
バッ!!
そう言われた瞬間、私は布団から飛び起きた。
ゴンッ!!
部屋に鈍い音が響く。
「……っ……」
「……ってぇ……。お前、急に起き上がんなよ……」
「……ごめん。……あれ? ナルト?」
「はぁ? 今、気が付いたのかよ」
とぶつかったときに痛めた、自分のおでこを手で擦りながらナルトが言う。
「うん。 そういえば、此処にいるの?」
「じっちゃんに頼まれたんだよ。中々、起きないから起こしてくれって」
「なるほど!」
「……ってか、早く行った方が良いんじゃねぇ?」
「なんで?」
「もう夕方だって言ってんだろ」
「あっ!! えっ? ナルトは?」
「オレは、もう終わってるし」
「ズルイ!」
「それを言ってる暇があったら、早く行けよ」
「やばい!!」
そう言うと、私は慌ててアカデミーに向かった。
「……はぁ。たくっ」
* * *
必死に走り、なんとか卒業試験が終わる前に着いた。
「はぁ、はぁ……」
「! 遅いぞ!!」
「……ご、ごめんなさい」
「まぁ、良いじゃないですか」
「……それじゃぁ、分身の術をやること」
「はーい」
適当で良いよね? ……でも、全部まともだと、つまんないしなぁ。……あっ!
良いことを思い付き、分身の術の印を組む。
バキュン!!
『!!』
大きい音に驚く先生達。
あはっ。先生達の驚いた顔、最高♪
『…………』
「……どうですか?」
「……分身もよく出来てるし、合格だ!!
アカデミーに入ったのが短いのに、よく頑張ったな。あとは……その音をどうにかしなさい」
「アハハ」
もう帰っていいかな?
「んじゃ、イルカ先生。またね♪」
「ああ、またな」
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