3話
3話
「どこ行くの?」
夕食後。談話室で全くやる気のしない勉強会を始めて数時間が経った。
始めたらへんは誰か居たのに今じゃ私とハーマイオニーにしかいない。
そろそろ私限界だなー。どう逃げようかな?って考えてたとき、ハーマイオニーがスクッと立ち上がった。
「どうしたの?」
「ちょっとね……」
気まずそうにそうに時計をチラチラ見ている。その行動が怪しすぎて私も見てみると、軽く11時を越えていた。
今日って何かあったかなぁ。うーん…………あ。
ふと、夕食のときにポッター君とウィーズリー君がスリザリンの子と揉めてたのを思い出す。
私は知ってる所に帰って来れた!!って感動してたから人の話をまともに聞いてなかった部分もあったし、そのときに何かあったのかもしれないね。
ハーマイオニー真面目だからなー。
「危ないことしないでね?」
「! 分かったわ! はちゃんとやってるのよ?」
「えっ」
談話室を出て行く彼女の背中をポカンと、見送ったが、すぐに苦虫を噛み潰すとはこういうことを言うんだろうな。
「しっかり釘刺された……はぁ」
まさかの解放してならず。
それは自分の中で結構ダメージが大きかった。
書いても書いても終わらないレポートについには涙まで出てくる程で。
「?」
そんなとき上から声がした。
今日はよく声を掛けられるなぁ。どうでも良いこと思いながら顔を上げると、ウィーズリーくん。
「なんで泣いてるの?」
と、その横にポッター君。
「こんばんは。ウィーズリー君とポッター君?」
双子のお兄さん達に可愛がってもらっているけど、ウィーズリー君自体は話したことがなかったり。
それ同様、それ以上にポッター君なんて接点がないからね。話し掛けられてちょっと驚いてる。
「なんで名前……君も額の傷?」
「は?」
またか、と呟くポッター君に、いきなり何なんだ、と少しムッとする。
「んにゃ、ウィーズリー君と仲良いから」
「え?」
「あと傷には興味なかったり」
眉間にシワが寄るのが分かる。
アルバスにポッター君のことを聞いてたから、魔法界に来てからどんな様子だったか想像出来なくないけどポッター君の態度に苛々したのだ。
いや、寮同じなんだから名前くらい知ってるからね?
私の不穏な雰囲気を素早く察知してウィーズリー君が「そういえば!」と少し大きな声を出した。
「、兄貴達と仲良いよね」
「お菓子いっぱいくれるの!」
眉間のシワが解け、ふにゃん、とした笑みを浮かべたら、ウィーズリー君ホッとした表情を浮かべた。
「、お菓子好き?」
「好き。二人とも優しいよねー」
「……そりゃ、まぁ……」
そんな表情してくれたらあげ甲斐あるし、可愛がりたくもなるよな。なんて思われてるなんて知らない。
「あっ! ロン、もう行かなくちゃ!」
今まで黙っていたポッター君が急に声を上げた。
それにともないウィーズリー君まで「あー!!」とか声を上げ始めたので私的には堪らない。
「……なに、いきなり?」
「「き、気にしないで!!」」
おぉ、すごいハモッた。息ピッタリ、ピッタリだけど。
二人共……少しだけ嘘について勉強しようか。
まぁ、リドル並に上手くなられたら困るけど。……さて、少しだけ手助けするか。
「私は見ていない」
「え?」
「?」
「私は今夜二人を見てない。黙々と泣きながらレポートやっている。ああ、そろそろ寝たいなぁ」
「! ありがとう!!」
知らなーい。
「ありがと! ママが作ったお菓子、にも送ってもらうから!」
知らなーい。…………それは喜んで♪
ドタドタ談話室を出て行く二人の背中を見て、大丈夫かな?と苦笑する。
……抜け出すには危ない時間。まぁだけど、私には関係ないからなぁ。
←・→
*
同い年の人達には接し方が少し難しい夢主さん。
そしてハリーに少し冷やか、ロンには優しく。
2014.01.17