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あれから数日が経った。

この生活にも少し慣れ、そろそろ自分の荷物を持って来ようと思う。

今夜の任務も終わり、荷物と部屋のことでじーちゃんに相談しようと、私は急ぎ足で木の葉に向かっていた。



「……終わったぁ」

「おお、か。そろそろ江狐達も帰って来ると思うぞ」

「二人、同じ任務だっけ? ……あっそうだ。じーちゃんに相談したいことがあったんだ」

「なんじゃ?」

「家と隣の空き室を繋げての欲しいの。そうしたら広くなるでしょ? あと片づけておくから、私の荷物を持ってきて」

「うむ、分かった。おぬしらが任務のときやっておく」

「ありがと」

「任務終わったぞ」

「……ただいま」



そんな会話をしていると、後ろから声が聞こえた。振り返ると、江狐と蒼鹿だった。



「お帰り! ……って、蒼鹿なんかぐったりしてない?」

「……疲れた……」

「……お疲れさま」

「……あれ? 、任務終わんの早くねぇ?」

「気のせい♪ あっそうそう。隣と部屋繋げてくれるって」

「マジか」

「んじゃ、二人も帰って来たし、荷物片付けるから私行くね」

「後でな」

、またな」

「あまり無理するでないぞ」



三人の声を聞きながら、私は隣の部屋に行った。



* * *



「……い。起きろ! !!」

「……うるさい……」



……ナルト、口うるさい母親みたい。私、反抗期の子供? ……なんかヤダな。



そんなことを思いながら起きる。

此処に住むようになってから、毎回ナルトが起こしてくれるようになった。ほっといたらずっと起きないからだって。



「……はぁ。昨日は何時まで片付けしてたんだよ?」



リフォーム業者と荷物が来て以来、私は遅くまで片付けをしていた。



「……6時まで?」

「(……なんで疑問系なんだよ)……つーか、いい加減ぶっ倒れるぞ?」

「大丈夫。さっき終わった」

「そっか、お疲れさん。んじゃ、もう少し寝てろよ。説明会まで、まだ時間あるし。あとから来いよ」

「……行ってらっしゃい……。おやすみ」



それだけ言うと、ナルトは部屋から出て行った。

そして私は寝始めたのだが、結局、数十分後に目が覚め、アカデミーに向かった。

教室の前に着くと、また眠くなりその場で止まった。



……ふわぁ、眠いなぁ……。



そう思いながら、また動きだし教室のドアを開けた。



ガラッ



私がドアを開けたとき、ちょうどナルトとサスケがキスをしている最中だった。

そして、それを見たサクラがナルトをボコボコにし始めた。……まぁ、どっちも分身だったけど……。



「……なにあれ」



面白いんだけど!



私は下を向き笑いを堪えていると、シカマルが私の前に来ていた。



「……よう」

「……あっシカマルおはよ……」

「なんで下向いてんだ?」

「……眠過ぎて限界……<なんか今、笑ったら止まんなくなりそうでさぁ。いやぁ、参ったね>」



二人は人に聞かれたくない所を陰話で話す。



「……マジか<オレには楽しくて仕方ねーって顔に見えるけどな>」

「シカマル席まで連れてって?<……バレた? さ−て、ナルトを弄ってくるかな♪>」

「自分で行け<程々にしとけよ>」

「……けち<うん♪>」



そして私はナルトの方に向かった。



* * *



「(……危ねぇ、間一髪……)」



ナルトは心の底から思う。<

そして分身と交代すると、ちょうどが声を掛けてきた。



「ナルト<おはよう、ナルトくん>」

「……あれ? 、いつ来たんだってば?<起きたんだ>」

「今。……それより、ナルト。私よりサスケの方が良かったんだね……」

「は?」



……ぽた……



素が出ながら、を見ると目から涙が零れていた。



?」

「……ごめんね。ナルトに好きな人がいるって気付かないで……」

「ご、誤解だってばよ! てか、その前にオレらなんもないじゃん!!<おい、!>」

「ごめんね…………っ!」



はそのまま教室から出て行き、どこかに走り去って行った。



「<お前、爆弾投下してどっか行くんじゃねぇよ!!>」



ナルトの絶叫が教室中に響いた。

……まぁ、隠話だったからとシカマル位にしか聞こえていないが……。

これを聞いていたシカマルは苦笑いをしていた。



『……ナーールーートーー……』



ゾクッ



ドス黒い空気を感じ、後ろを振り向くと殺気立った般若のような女子達。



「ヒッ」



ナルトは慌てて分身と交代する。その瞬間……。



『なに、女の子泣かしてんのよ!!』



ドカッ

バキッ



クラス中の女子からボコボコに殴られた。



はその様子を木の上から爆笑しながら見ていた。



* * *



「今日から君達は、めでたく一人前の忍者になったわけだが……」

「<……くくっ。ナルト大丈夫?>」

「<……大丈夫? ……じゃねぇよ!! お前ふざけんなよ!?>」

「<あはは。まぁ気にすんな?>」

「<……お前は少しは気にしろ>」



イルカ先生は二人に話しを無視されていると知らずに、話しを続けている。



「……今後は三人一組と四人一組を作り、各班ごとに1人ずつ上忍の先生が付き、その先生の指導のもと任務をこなしていくことになる」



その頃から、二人は先生の話しを聞き始める。



「(ちィ……三人一組か足手まといが増えるだけだな……)」

「(絶対!! サスケ君と一緒になるわよ!!)」

「<ナルトは、誰となるか知ってる?>」

「<いや、聞いてからの楽しみだって>」

「<ナルトもかぁ。……ナルトとシカマルと同じ班がいいなぁ>」

「<だな>」

「班は力のバランスが均等になるよう、こっちで決めた」

『えー!!』



いろんな子のブーイングが聞こえたが、先生はそれを無視し班のメンバーの名前を言い始めた。



「……じゃ、次、7班。春野サクラ……うずまきナルト……うちはサスケ。この班は四人で最後に



それにナルトが反応する。



「イルカ先生!! よりによって、優秀なこのオレが! 何でコイツと同じ班なんだってばよ!!」

「サスケは卒業生27名中一番の成績で卒業。ナルト……お前はドベ! いいか! 班の力を均等にするとしぜーんとこうなんだよ」

「フン……。せいぜいオレの足引っ張ってくれるなよ。ドベ!」

「なんだとォ、コラァ!!」

「いい加減にしなさいよ! ナルト!!」



それに今度はサクラが反応し、ナルトを止める声が聞こえた。



……ナルトも大変だねぇ。私には出来ない芸当だわ。



「(……ま……どうにかやっていけそうかな! ナルトの奴も……)

じゃ、みんな午後から上忍の先生達を紹介するから、それまで解散!」



先生はどこか安心したようにナルトを見てから教室を出て行った。



* * *



午後まで私は一人で外を散歩していた。



「なんか、ちょうど良い木ないかなぁ」



そんなことを呟きながら歩いていると、ベンチの近くに大きな木があるのを見つけた。

その木の上で寝ようと、木に登りちょうど良い所で寝始める。



「……まーた、またぁ。話し逸らしちゃってー」



しばらくすると、木の下から声が聞こえてくる。



……ん? あれサクラと……サスケ? 何してんだろう?



そう思いながら下には降りず、二人を様子を見ることにする。



「……ナルトなんてほっときゃいいじゃない。サスケ君に絡むばっかりでさ!

やっぱりまともな育ち方してないからよ。アイツ……ホラ! アイツ両親いないじゃない!? いつも一人でワガママしほーだい!!

私なんか、そんなことしたら親に怒られちゃうけどさ! いーわーねー、ホラ! ガミガミ親に言われることないしさ」

「…………」



私が上にいることに気付いておらず、サクラは話を続けていた。



「だから、色んな所でワガママがでちゃうのよ」

この一言で私は下に降りた。



スタッ



『!!』



突然木の上から降りてきた私に二人が驚く。



「あ、あれ、? 今まで何処にいたの?」



驚いたサクラが私に聞いく。



「ん? 木の上」



その問いに笑顔で答える。だが、すぐに……。



「……それよりさぁ……」



周りの雰囲気が変わる。



「……あんたにナルトの何が分かんの? ナルトがいる場所がどんな所か知ってる?」

「えっ? ?」



いつも皆の前では笑っているが、今はとても冷たい目でサクラを見ていた。

そんな私の態度にサクラが戸惑っていた。



「……ナルトのこと、なにも知らないくせに、知ったように語んな。……あんたみたいな奴が一番ムカつく」

「!!」



それだけ言うと、私は教室に向かった。



……気分悪いなぁ。早く教室行こ。



* * *



教室に着きドアを開けると、そこにはナルトがいた。



「……あっ、ナルト」

「よっ。……お前さぁ。言い過ぎじゃね?」

「サクラのこと?」



……ナルト、どこで見てたの?



「ああ」

「言い過ぎじゃないよ。ってか言い足りない」

「(足りねーのかよ……)……でも、サンキューな」

「……いーえ?」



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* * *



下忍編の始まりです。

やっと原作沿いっぽくなってきました。

それでは駄文にお付き合い下さい。