追いかけっこ
私はリドルに興味を持った。
自分でも嘘みたいに。
あんなに隠れ回っていたのにね?
追いかけっこ
「まさかリドルくんが面白そうだと思わなかったしなぁ」
……なのに、今度は逆にリドルが見つからないってなんだろう?
もし、ここにリドルがいたら、日頃の行いが悪いんじゃない?とか、私を苛々させる言葉をほざくんだろうなー。想像しただけでああ、嫌だ、とぼやく。
自分で隠れ回ってたときは無駄に見付かったのに。多分、リドル自身も意識して逃げてるのかな? そんな気がする。
「失敗したなぁ。限界だったとはいえ、ホントのこと言い過ぎたかも」
それにしても見付からなすぎて、喧嘩してる訳ではないけれど沸々と闘争みたいなものが燃え上がる。
「リドルの癖に生意気。絶対、引きずりだしてやる」
「……物騒なこと言うの止めてくれない?」
後ろから急に声がして驚いて振り返ると、そこには捜してたリドルくんが呆れたように私を見ていた。
「、独り言多い」
「リドル! どこ行ってたの?」
「図書室だけど?」
「今度は私も行くー!」
へらり、と笑うと顔をペチりと叩かれた。なんで?てか、地味に痛い。
「来んな」
「ふふ、聞こえなーい」
そう言うとリドルの頬が少しひきつったけど、知らない。
だってリドルは私のオモチャだよ?
(……気のせいだと思いたかったことが現実になった。ペアにした教師、一生恨む )
*
2013.12.28