「あり〜」
「…………」
いつも「アリババ!」と、言ってくれるがいない。
なぁ、? 戻ってきて、切実に!!
*いつもと違うキミ*
「あり〜?」
酔っているのか、ぽわ〜んとしていて頬がほんのり赤く染まり、呂律もまわっていない。
そんなは俺の服を引っ張り始め、あり、あり騒いでいる。
始めの頃は笑ってた。珍しい物見れたと。
……だけど、三時間たった頃から後悔し始めた。なんで二人で飲みに来たんだろうって。
「あ〜り〜!!」
「!?」
俺が返事をしなかったからだろう。耳元で叫ばれた。
それは流石に我慢の限界。
「うるせーっ!! 絡むなって! つーか、ありって何っ!?」
「へんじしたぁ! えへへ、ありばばのこと〜」
「……帰るぞ〜」
付き合ってられないと、席を立つと、
「い〜や〜!!」
「うわっ!?」
叫び声と共に腕をガシッと捕まれた。
「、酔ってるだろ?」
「よってにゃい! よったことにゃいもん!」
聞き分けの悪さに思わず苦笑してしまった。
「お前、今ベロベロだからな?」
「そうなの〜? へへ、じゃあアリババがいるからだ〜」
「なんの関係があるんだよ?」
「んー? なんか、きがぬける……」
「へっ?」
「んー、あっ! おちつく。だ」
「!?」
思いもよらない言葉。驚きすぎて声が出ない。
「ふぇ? ありばば、どしたの?」
「……ああ、うん……いやぁ?」
そう言い、椅子に座り直す。
テーブルに肘をつくと、楽しそうに飲んでるの顔を眺める。
そしてポツリと呟く。
「……もう少し付き合ってやるよ」
そう言ったアリババの顔は先程とは違い、少し諦めたような感じだったが、その表情は柔らかくを見る目は優しかった。
「んー?」
「なんでもねーよ?」
この空間がなんだか心地好いかもな。
* * *
アリババくん。
…うん、アリババくん。
だといいなぁ…。