いつか必ず *いつか必ず!*



私の日課はナルトを弄ること。
……だけど最近。
ナルトの反応がつまらない。


「大好き!」


って言っても。
またか……って表情をするだけ。仕舞いには。


「……お前さぁ。毎日毎日、同じこと言ってて飽きねぇ?」


少し呆れたような感じで聞いてくる。


「いや、全然」


私が間髪いれずに答えると。


「…………そっか」


ナルトはガックリとうなだれていたが、そんなの知らない。


「てかさー、最近のナルトの反応つまんなーい!
顔を真っ赤にさせてる所が好きなのに!!」

がやり過ぎなんだよ。慣れって凄いよなー」


遠くを見つめてるナルトに、少しイラッとしたが、まぁ良いや。
新しいこと考えないと……。


その顔を絶対に赤くしてやる!!

*


ガチャ、と大きな音をたてないように玄関を開け、私は中へと入る。


「……お邪魔しまーす」


一応? 微妙な礼儀を言っといた。まぁ、侵入してる時点どうかと思うけど。

時刻は早朝。
私達、暗部にとってはやっと寝れると時間帯……正直ホント眠い。
頭の中で。

私何してんだろう?

とか。

せっかく此処まで来たんだから、ナルトの赤面を見なくちゃ!

とか。

そんな自問自答を繰り返していると、ナルトの寝室の前にいた。
私は躊躇なく、そのドアを開けるとそこは……。


「…………」


物、物、物の山。
足場があるか、ないかという感じだった。
私の部屋もそんな綺麗とは言えないけれど、ナルトの部屋よりはマシだった。
あまりの汚さに思わず。


「き、汚い…。後で片付けよう」


と、呟いてしまった。

私は気を取り直して足音を立てないように、そっと近寄ると、そこにはスー、スーと寝息を立てながら気持ち良さそうに眠っているナルトがいた。


「クス。
気持ち良さそうに寝てんなぁ……死ねばいいのに」


その寝顔を見て、若干、いや本気で蹴りたくなった。
このままでは本当にやりそうだったので、私はベットの上に乗った。

ギシッ。ベットが軋む音がする。……なんか、端から見たら襲ってるように見えるよなぁ。
少し良心が痛いような……うーん。ま、いっか。


「んじゃ、いただきまーす!」


パチ。


ん? パチ?
ふと、ナルトをを見てみると……目が合った。
笑顔で私を見ているナルト。


「……な、ナルトくん? 
なんで起きてるかなぁ?」

「えーと? が家に侵入してるから?」


……最初からバレてた。


「で? さんは、この家に何しに来たんですかね?」

怒鳴らないナルトが怖い。
怒鳴らないナルトが怖い。
怒鳴らないナルトが…………。


「……あ……は、あはは……。
ナルトを襲おうかな? なんて……?」

「……ふぅん」


……なにか考えてるか分からない。今の内に逃げようかな……うん、逃げよ。


「……んじゃ、お邪魔しましたっ!!」


ガシッ!! と、逃げられないように腕捕まれた。


「な、何かな……?」


私は引き攣った顔で、ナルトは質問したけど、それには答えて貰えず、素敵な笑顔を向けられ、そのまま腕を引っ張られた。


「うわっ!」


温かいモノに顔からダイブすると、今度はグルッと私の身体が反転した。
……激しいな、そんな急な動きは苦手なんだけど。
この時はまだ余裕があったんだ……この時は。


「色気ねぇー声」

「……あれ?」


さっきまで私を見上げでいたナルトくんが、今度は見下ろしてる〜なんでー? ってかなんで両手首掴まれてんのー?
頭の中ハテナばっかだけど、一つだけ頑張って理解した。

立場が逆転した、と。


「ナルトくーん、何で私の上にいるの〜?」


僅かな抵抗。
冷汗がダラダラと出てくるが、気にしてられない。


「平等」

「えっ」


そう言って、何故かどんどん近づいてくるナルトの顔。


「ま、待て! 話せばわかる?」
「待てって言われて、素直に待つ奴なんていねぇーよ」

「そん……んん……っ!?」


私は最後まで言わせてもらえず、ナルトの唇に塞がれた。


*


「…………」


数秒後。既にナルトの唇は離れていたが、私は未だに固まっていた。
そんな私が珍しいのか、ただ面白いのかわからないが、ナルトは声を押し殺して笑っていた。


「……どうでしたか?」


そしてわざと丁寧な口調で感想を聞いてきた。


「……知るか」


やっと出た声は、こんなことしか言えなかった。


「……ククッ、ガキ」


お前もだろ!?
とりあえず今回は失敗したけど、絶対やり返してやる!!


*
ナルト再up。
かなり前と変わった…。