そんな日々もまた恋しい
少女というには私は大人になり過ぎた。
なんだかなぁ……歳だね、うわーテンション下がる。
リドルさんもリドルさんじゃなくなって、今じゃ魔法界で恐れられてる人。
あれ?もしかして出会った頃からか、これ……考えないようにしよう。
……えと、我が君の名前なんだっけ?
あんまり呼ばないから忘れちゃうんだよね、覚える気もないけれど。
あ、そうそうヴォルデモートさん。
ヴォルデモートさんって呼ぶくらいなら我が君を選ぶって宣言したときの我が君の絶句した表情。
それが可笑しくて、笑い飛ばしたら……うん、思い出したくもない。
よし!もういいよね。
私との関係性も変なお客さんから、我が君って呼ぶようになるまでになるんだから世の中何が起こるか分かんない。
私は変わることが苦手。
それを結構昔に我が君に言ったことがあるけど我が君は覚えてるかな……ないな。
だって、あの人鼻で笑ったから。
落ち着いたね、あの人。
昔も落ち着いてる人だったけど。顔くらいしか出会った頃と変わってないんじゃないかってくらい。
私は我が君が好き。
だけどね、リドルさんも好きだったんだ。
口調も、店を図書館代わりにするのも、子供相手に大人気ないのもね。
「」
「ん? あ、我が君」
「なにをボーッしてる? お前が黙っていると気味が悪い」
……泣きますよ?
「ほっとけ。なんですか、いきなり」
「なんでそんな顔をしてるんだ?」
「……ただ変化が寂しいだけですよ」
私だって感傷浸る日くらいあるんですよ?
そう呟いたらまた鼻で笑われた。
*
2014.02.26