またいつか



私は消えるのか。

まさか赤ん坊にやられるなんてな。

……気に食わないがアイツの予言通りだな。

いつもあっけらかんとしていて死喰い人に似合わないアイツに。





またいつか





「ざまぁ」



アイツのことを考えてたからか、ついに幻聴まで聞こえ始めた。

私が消えるのも時間の問題だな。



「あれ? 我が君もう消えちゃった?」



どうやら幻聴じゃないらしい。棒読みで「えーん、我が君が消えたー」と言われ煩いから渋々、声を出す。



「……、耳障りだ」

「まったく……、人のいうことをちゃんと聞きましょうよ」

「普段外しまくってる奴の台詞じゃないな」



占い師の癖当てよういう考え端からなく、ふざけたことしか言わない。

気に入って側に置いていたが、珍しく真剣な表情をして私が消えると言った女。

それが気に食わなくて拷問したがそれでも覆さなかった。



「普段のは敢えてですよ」

「そうか、次はお前の意見を少しはいれないとな」

「そうしてくださいな……ってか我が君ぺらいね、すっかすか」

「……その言葉、よく覚えてろ」

「ふふ、覚えといてあげますよ」



……今ほど肉体があったら、と思ったことはない。即服従の呪文をかけてやりたいと考えて、ふと気付いた我慢してるような声。そして届いた言葉。



「だから……まぁ――……」





”いつまでも待っていますけど、なるべく早く帰って来てくださいね?”



忘れていた。



忠誠心がないようで誰よりもあることを。



もう、声も表情も確認出来ないが。



まぁ今は、暫しの別れを。





*

2014.01.09